モダン・デザインはウイリアム・モリスから始まった。

ロマンチストはどこまでもロマンチストなのだろう。    テキスタイル・デザイナー、書籍デザイナー、 そしてファンタジーの世界を著す幻想の詩人。 アーツ・アンド・クラフツ運動を先導して、 モダン・デザインの父とも呼ばれたウイリアム・モリスは、
私生活においても終始ロマンチストを貫いたように思える。 ウィリアム・モリスって誰? っていう人もいるかも知れないが、 「ツタや小鳥など動植物を使った装飾デザイン」は、
今も壁紙や書籍などによく使われている。 テキスタイルの「いちご泥棒」(1883年)は今回の展覧会の目玉作品のひとつ。 「モリスが赤と黄色をインディゴ抜染による藍に組み合わせた最初のテキスタイル」(アサヒビール大山崎山荘美術館)。高度なプリント技法が使われ、当時、高額にもかかわらず最も高い人気を博した。 工芸では「サセックス・シリーズの肘掛け椅子」(1860年頃)。 そのデザインは今なお古びてはいない。 英国サセックス地方に伝わる藤工芸をデザイン化した椅子で、 モリス・マーシャル・フォークナー商会で販売し、高い評価を得た。 乱暴に座れば、すぐに壊れてしまいそうな繊細なデザインは秀逸だ。 「ウィリアム・モリス -デザインの軌跡」 2018年4月21日(土)-2018年7月16日(月)。 アサヒビール大山崎山荘美術館で開催。 同展では、壁紙、テキスタイル、椅子、出版物等主要なモリス作品と、 同時代のデザイナーたちによる作品を合わせた56点を展示し、 美しい暮らしを求めたモリスの生涯とそのデザインの歩みを紹介している。 (4月24日に取材。) 作品を観ていると、 「役に立たないものや、美しいと思わないものを、家に置いてはならない」 というモリスの信念が理解できる。  

<関連企画> 「ギャラリートーク」 本展覧会中の第2、第4土曜日(ただし7/14を除く)(14:00-14:30)   「カフェ企画ラ・フルール・セレクシヨン」 本展覧会会期中、リーガロイヤルホテル京都による特製オリジナルスイーツを提供する。  


  ☆ アサヒビール大山崎山荘美術館 = 京都府乙訓郡大山崎町にある京都府の登録博物館。運営は公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団。大阪府と京都府の境にある天王山の山腹に位置し、真下に木津川・宇治川・桂川の三川が淀川へと合流する美しい風景を見ることができる。 実業家・加賀正太郎が昭和時代初期に建物の他、庭園や道路、家具、調度品なども含めて自ら設計、デザインして建てた英国風の山荘の建物を復元整備し、1996年に美術館として開館した。美術館のコレクションの中核は、朝日麦酒株式会社(現アサヒビール)の創業者として知られる関西の実業家・山本為三郎(アサヒビール初代社長)の収集したコレクションである。 ☆ ウィリアム・モリス = (William Morris、 1834年3月24日 – 1896年10月3日)は、19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。多方面で精力的に活動し、それぞれの分野で大きな業績を挙げた。「モダンデザインの父」と呼ばれる。また、架空の中世的世界を舞台にした『世界のかなたの森』など多くのロマンスを創作し、モダン・ファンタジーの父と目される。 ☆ アーツ・アンド・クラフツ運動 = 生活と芸術を一致させようとするモリスのデザイン思想とその実践(アーツ・アンド・クラフツ運動)は各国に大きな影響を与え、20世紀のモダンデザインの源流にもなったといわれる。  アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派、ユーゲント・シュティールなど各国の美術運動にその影響が見られる。 日本の柳宗悦もトルストイの近代芸術批判の影響から出発し、モリスの運動に共感を寄せ、1929年、かつてモリスが活動していたケルムスコットを訪れた。柳の民芸運動は日用品の中に美(用の美)を見出そうとするもので日本独自のものであるが、アーツ・アンド・クラフツの影響も見られる。 <以上、ウィキペディアより>」  ☆ モダン・デザイン = 近代と言う時代性にデザインをどう対応させるかという運動から生まれた概念のことです。 18世紀半ば~19世紀にかけてイギリスでは「産業革命」が起こり、機械化によって生み出された製品の無機質感が生じるなか、デザインによって使いやすさや温かみ、見た目の良さなどの付加価値をどのようにして付ければよいかという運動が波及し、数々のデザイナーの試行錯誤の末、あらゆる近代的への変化(生活様式、素材、技術、美的なセンス)などに対応出来るデザインが生み出され、概念として「モダンデザイン」が生まれたと言われています。その期間は19世紀後半に始まり、完成は20世紀中盤とされています。複製の技術など、特に工業化による生産方式の変化が、それまでの時代のデザインと異なる方向を生み、機能性を重視する一方で、装飾性を排したシンプルな造形を特徴としています。その影響は現代社会のあらゆる分野に及んでいて、日本では(公社)日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞などが、「モダンデザインの思想」を踏襲していると言われています。 <「不動産用語集」LIFULL HOME’Sより>  ☆ モダン・ファンタジーの父 = 架空の中世的世界を舞台にした『世界のかなたの森』など、モリスは多くのロマンスを創作。   ☆ テキスタイル = 広く繊維に関するデザインをさすが、狭義にはとくに染織だけをいう場合もある。・・テキスタイル・デザインの基本的な要素としては色彩とパターン(柄、模様)の美しさであるが、とくにテクスチャー(織り目、材質感、きめ)がその魅力のポイントであり、重要な要素である。 <日本大百科全書より>   ☆ ファブリック = 布地・織物。 ☆ ケルムスコット・プレス = ケルムスコット・プレス【Kelmscott Press】= ウィリアム・モリスのはじめた印刷工房で,名称は彼のオックスフォード近郊の別荘の名にちなむ。 1891年設立,モリスの死後2年を経た98年まで存続し,その間に53部65巻の書物を出版した。中世の手工業を理想とするモリスの芸術活動の一環をなすもので,中世の写本装飾やルネサンスの書物に多くを学んでおり,見開きの状態での紙面構成,黒インキを鮮明に写す手漉(てすき)紙の使用,モリス自身による二つの字体と644のイニシャル,およびオーナメントの考案等,近世の私家本製本の歴史に重要な貢献をした。<「世界大百科事典」より>  


  安藤忠雄氏設計の地中館「地中の宝石箱」 では、 印象派のすごい作品も、さり気なく展示されています。

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