初の能舞台観賞(大江能楽堂)

先日、大江能楽堂の定期能を観に行った。
たまたま知り合った方にチケットを頂いたので、 こんなチャンスを逃す手はない、
とばかり初の能舞台観賞。
野外の能は、何かの拍子で何度か観たが、 能楽堂での観賞は初めてのこと。
能楽堂の凄さに驚いた。

舞台は一つ。背景は変わらず。 この舞台のままで、物語は進んでいく。
鼓と笛と、アカペラがBGM。 音響設備効果もよく考えられている。
演者が動くたび床のきしむ音が聴こえる。
見たところマイクやスピーカーは見当たらない。 「生」なんだろうか?
その割には、セリフも音曲も明瞭に聞こえる。
(言葉の意味は、少しわからないところもあるが、それは別問題。)
一つの舞台を使って、狭い空間を広く、そして大きく見せている。

奈良時代の発祥とも言われる能楽。当時は猿楽などといったらしい。
その後1400年頃、観阿弥というか世阿弥が著したという花伝書が良く知られている。
ジャパネットの高田さんも紹介していた。

が、どうも「花伝書」という名称には問題があるらしい。

ウィキペディアを見ると、 (ウィキペディアも当てにはならないが。)、
次のように書いてある。

「風姿花伝 (ふうしかでん、風姿華傳) は、世阿弥が記した能の理論書。
世阿弥の残した21種の伝書のうち最初の作品。
亡父観阿弥の教えを基に、能の修行法・心得・演技論・演出論・歴史・能の美学など
世阿弥自身が会得した芸道の視点からの解釈を加えた著述になっている。
成立は15世紀の初め頃。
全七編あり、最初の三つが応永7年(1400年)に、
残りがその後20年くらいかけて執筆・改訂されたと考えられている。

「幽玄」「物真似」「花」といった芸の神髄を語る表現はここにその典拠がある。
最古の能楽論の書であり、日本最古の演劇論とも言える。

多くの人に読まれ始めたのは20世紀に入った明治42年(1909年)に
吉田東伍が学会に発表してからで、
それまでは能楽流派の奈良金春宗家の相伝の「秘伝書」の形で、
その存在すらほとんど知られていなかった。」

が、さらに、よくよく読んでみると、
「『花伝書』の通称が用いられていた頃もあったが、
後の研究の結果、現在では誤称とされる。」とある。

「能の芸道論としても読める一方、日本の美学の古典ともいう。
Kadensho、Flowering Spirit などの題名で何度か外国語訳もされ、
日本国外でも評価されている。」

と、よくわからないがそういうことらしい。 難しいもんだ。


会場の大江能楽堂に入る時、一枚のプロットをまとめた文書を頂いた。
これを読んで、あらすじはだいたいわかった。
物語自体は、そんなに難しいものではないようだ。
いかに表現するか。それが芸術なのだろう。

能面の果たす役割も大きい。
各地のミュージアムで能面の展覧はよく観てきたが、
実際に、その由緒ある面が、舞台で動くとどうなるのか、 想いは果てない。

物語が始まる。 演者は終始中腰。鼓や笛のバック方も無駄な身動きを一切しない。 よく疲れないものだ。
鼓の謡いのファルセットも見事だ。
妙なところで感心してしまう。

そして、締めを締めとして見事に決める。
これが芸能、これこそ芸術なんだ、と感ずる。
やはり「日本」人。琴線に触れるものがあった。

次回の定期能は9月16日(月・祝日)午後5時30分~。
能「夜能」、狂言「狐塚」、能「実盛」。
納会は、12月21日(土)午後1時~。
能「俊寛」、狂言「柑子」、能「猩々」

さて、どうしようか。

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