「古備前,そして革新」『The 備前』(9/14-12/15) (MIHO MUSEUM)

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「備前に入れた水は腐らない」
「備前は石にぶつけても壊れない」
「備前で注(つ)ぐ酒は美味くなる」
いささか表現オーバーな言い伝えだが、
その言葉の裏にある、
備前焼の特徴、特色、性質、根底に流れる備前焼の精神性は、

数寄者(すきしゃ)に好まれた室町後期頃の「古備前」から、
人間国宝を輩出した近代、
そして新たな挑戦に立ち向かう現代作品にまで、
受け継がれているようだ。

ちなみに、いつか焼き物に使う土がなくなることから、
「余り土」を使った工法も産まれつつある。

釉薬(ゆうやく)を使わず、
土と炎から作られる造形は
「シンプルで原始的なやきものとして、古くから日本人に愛されて」
(同展図録)きた。

備前焼で生み出される景色は、
「窯変」(ようへん)
「緋襷」(ひだすき)
「牡丹餅」(ぼたもち)
「胡麻」(ごま)
「桟切」(さんぎり)
などなど。
そのデザインは、偶然でもあり、意図したものでもあるらしい。


秋季特別展
「The 備前 ー土と炎から生まれる造形美ー」
2019年9月14日(土)~12月15日(日)
MIHO MUSEUM

(picture)



9月13日の内覧会で、熊倉功夫館長は、
「極めて個人的なことだが、何年か前、
林原美術館の館長をしていた時に手がけたのが、
金重陶陽(かねしげとうよう)の作品だった。
本展でも、特に彼の水指などを観ていると、いろいろなことを思い出す」
「備前焼の歴史の中で陶工(陶芸家)たちは、
土が燃える時に放つエネルギーを発見し、
それをコツコツと景色にまで高めていった。
そして近代、現代と、かなり苦労しながら、
新しい備前の時代を切り開いてきた。
古備前から現代の作品まで、
その流れを感じられる展覧会となった。
どうかご期待を」と挨拶。

畑中章良学芸部長の解説ツアーが始まり、
冒頭の備前焼三大特徴(?)を説明、
豊臣秀吉も信奉者(?)で、
特に大甕(おおがめ)もお気に入りだったとか。

「本展覧会では約160件の作品を展示していて、
ここでしか観られない作品もいくつかある。
展示方法も工夫しているので、ゆっくりとご覧頂きたい」。
が、ゆったりし過ぎたのか、
室内だけでは紹介しきれず、廊下にも特別陳列、
庭の巨石と対峙するかのようにレイアウトされていた。
これは故意か偶然か。


☆ 備前焼(びぜんやき)= 岡山県備前市周辺を産地とする炻器(せっき)。日本六古窯の一つに数えられる。備前市伊部地区で盛んであることから「伊部焼(いんべやき)」との別名も持つ。同地区で数多く見られる煉瓦造りの四角い煙突は備前焼の窯のものである。


☆ 釉薬(ゆうやく、うわぐすり、釉、上薬、英語: glaze)= 陶磁器や琺瑯(ほうろう)の表面をおおっているガラス質の部分である。陶磁器などを製作する際、粘土などを成形した器の表面に薬品をかけて生成する。粘土や灰などを水に懸濁(けんだく)させた液体が用いられる。(以上、ウィキペディアより。)


☆ 炻器(せっき)= 焼き物の分類の一。素地(きじ)が固く焼き締まった焼き物で、非透光性である点で磁器と区別し、気孔性のない点で陶器と区別する。茶器などのほか、土管・火鉢などの大形物に用いる。(小学館デジタル大辞泉より。)


☆ 懸濁(けんだく)=液体中に個体の微粒子が分散した状態をいう。(接着用語集より。)


☆ 数寄者(すきしゃ、すきもの)= 芸道に執心な人物の俗称。「数奇者」と書く場合もある。現代では、本業とは別に茶の湯に熱心な人物、特に多くの茶道具を所有する人物として用いられる。(ウィキペディアより。)


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