上村松園「雪女」の原画 初公開!『美人のすべて』展 (1/29-3/8) (福田美術館)

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気品あふれる美人絵日本画家である上村松園の作品の中にも、
少し異質な絵がいくつかある。
その筆頭とも言えるのがこの「雪女」だ。

大正12年に刊行された近松門左衛門の作品集『大近松全集』
の付録に付けられた木版画絵のうちの1枚として
この「雪女」の ”版画” 作品はこれまでも知られていたが、
このほど(2017年2月頃)、その ”原画” が京都の民家で見つかった。(やはり京都は凄い!)
見つけた岡田秀之学芸課長は「この原画を観た時は、背筋がぞっとするほどだった」と驚く。

同じ松園の「花がたみ」や「焔」(ほのお)とはまた違う特異さだ。

「雪女」は近松の作品『雪女五枚羽子板』(ゆきおんな ごまい はごいた)の一場面を、
上村松園が創作して描いたもの。
10月23日、岡田学芸課長の解説による内覧会があった。

大正の頃、浮世絵版画の技の粋を極めたとまで謳われた
最強の彫師(山岸主計)と摺師(西村熊吉)による木版画でも手に負えない、
肉筆画にしか出せないものがこの原画にはあったようだ。

誰かの陰謀で凍死した腰元(雪女)は、
片手に太刀(たち)を持ち、もう一方の手で髪を整えながら現れる。
松園はその姿、その表情に美を求めた。

一見怖そうな絵だが、原画をじっと観ていると、
雪女がなぜか美人に見えてくるから不思議だ。
松園が描こうとしたのは、
虚飾を究極に剥ぎ取った美、人間本来が持っている極限の美、なのだろうか。
あるいは、女性だけが持つ情念の美か。

「雪女」は来年1月29日から同館で開催される「美人のすべて」展で
日本画の巨匠たちが描いた「美人画」約60点とともに、本邦初公開される。


福田美術館 開館第二弾
『美人のすべて』展
~ 初公開、上村松園の「雪女」~
 2020年1月29日(水)~3月8日(日)
福田美術館


☆ 雪女五枚羽子板(ゆきおんなごまいはごいた)= 浄瑠璃。時代物。三段。近松門左衛門作。宝永五年(一七〇八)大坂竹本座初演と推定される。嘉吉元年(一四四一)赤松満祐が将軍足利義教を自宅に招いて暗殺した事件を脚色。藤内(とうない)太郎以下五人兄弟の働きで、逆臣赤沼入道父子を滅ぼす筋。(精選版 日本国語大辞典より。)



☆ 近松 門左衛門(ちかまつ もんざえもん)= 承応2年〈1653年〉~享保9年11月22日〈1725年1月6日〉。江戸時代の浄瑠璃及び歌舞伎の作者。本名は杉森 信盛(すぎもり のぶもり)。平安堂、巣林子(そうりんし)、不移山人(ふいさんじん)と号す。家紋は「丸に一文字」。


☆ 上村 松園(うえむら しょうえん)= 1875年(明治8年)4月23日 – 1949年(昭和24年)8月27日)。日本画家。本名は上村 津禰(うえむら つね、「禰」は「示」偏に「爾」)、常子(つねこ)と名乗っていたこともある。明治の京都下京に生まれ育ち、女性の目を通して「美人画」を描いた。1948年(昭和23年)女性として初めて文化勲章を受章。子の上村松篁、孫の上村淳之と3代続く日本画家である。


☆ 雪女五枚羽子板(ゆきおんなごまいはごいた)=・・近松門左衛門の「雪女五枚羽子板」=だまされ惨殺された女が雪女となり復讐する話である。雪女の妖艶で凄惨な感じがうまく使われている


☆ 浄瑠璃(じょうるり)= 三味線を伴奏楽器として太夫が詞章(ししょう)を語る音曲・劇場音楽である。詞章が単なる歌ではなく、劇中人物のセリフやその仕草、演技の描写をも含み、語り口が叙事的な力強さを持つ。(以上、ウィキペディアより。)


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