いろいろ比較も 『円山応挙から近代京都画壇へ』(11/2-12/15) (京都国立近代美術館)

preview

『円山応挙から近代京都画壇へ』
前期:11月2日(土)~11月24日(日)
後期:11月26日(火)~12月15日(日)

「前期・後期で大展示替え」
京都国立近代美術館

(picture)


 <京都国立近代美術館リリース資料より。>
本展は、円山応挙、呉春を起点として、竹内栖鳳(せいほう)、上村松園(しょうえん)まで、江戸中期から昭和初期までの円山・四条派が勢揃いし、近世から近代へと引き継がれた画家たちの系譜を、重要文化財12件を含む約120件の名品で一挙にたどる、これまでにない最大規模の展覧会です。
 ※東西開催併せた数。18世紀、様々な流派が百花繚乱のごとく咲き乱れる京都で、
  円山応挙は写生で一世を風靡し、円山派を確立しました。

また、与謝蕪村に学び応挙にも師事した呉春によって四条派が興り、
写生画に瀟洒な情趣を加味して新たな一派が誕生します。
この二派は円山・四条派としてその後京都の主流となり、
近代にいたるまで京都画壇に大きな影響を及ぼし、
日本美術史の中で重要な位置を占めました。
本展では、
写生画の名手・円山応挙最晩年の最高傑作「大乗寺襖絵群」の立体的展示を実現。
京都では約24年ぶりに特別展示いたします。


記者発表会のもよう
(左から柳原正樹京都国立近代美術館館長、山岨眞應大乗寺副住職、平井啓修同館研究員)

11月1日の記者発表会で柳原館長は、
「応挙や蕪村、呉春らにより京都画壇の大きな流れが作られた。足のない幽霊を初めて描いたといわれる応挙に始まる円山派、そして四条派、その後、芦雪、南岳、岸竹堂、竹内栖鳳、上村松園らへと受け継がれてきた。そうした作品が本展では一堂に展示されている。多くの方々にご堪能頂きたい。
また、応挙の代表作「大乗寺襖絵」も特別展示され、間近で観ることができる。細かな筆遣いや金箔仕上げなど、様々に工夫されていることがわかる。若冲らには無い発色の美なども味わって頂きたい」。

大乗寺の山岨(やまそば)副住職も、
「若冲ばかりでなく、これからは応挙のブームになって欲しい」。

平井研究員は展覧会の概要を説明したあと、
「大乗寺襖絵などの照明は少し暗くしてある。いろいろ試したが、明るいと特に金箔や墨の色が変わってしまうようだ。また平面的になり、奥行きがなくなってしまう。暗いほうが良く観える。観る角度によっても見え方が変わる」。
「本展では円山・四条派のほか、同時代にいたいろいろな流派の作品も展示し、近代へと続く京都画壇の流れを感じられる展覧会となった」。
続けて
「複雑に絡み合った各派の違い、それが時代とともに移り変わり近代京都画壇へと続いている。それらの作品を一度に比較できる機会はこれまで無かった。本展を機に、一緒に考えていければと考える」。
京都画壇を中心とした日本画の流れをテーマとする大規模な展覧会は、京都国立近代美術館が10年以上あたためてきた企画だという。いろいろなことがこれから解明されていくのかも知れない。


内覧会のもよう


開会式のもよう


テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました