preview「特別企画展 生誕130年 堂本印象」(6/4-9/26) (堂本印象美術館)

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春/1927

特別企画展 生誕130年 堂本印象
2021年6月4日(金)~9月26日(日)
堂本印象美術館

「『交響』を製作している堂本印象を撮影しているのは、私です」と三輪晃久館長。
現在堂本印象美術館で開かれている「生誕130年  堂本印象」展では、堂本印象のスナップ展示コーナーがある。印象の幼少時から晩年頃までの写真が何枚も飾られている。製作現場や日常生活、ローマ教皇より聖シルベストロ文化第一勲章を受け、イタリアの軍服をまといサーベルを下げ勲章を身に付けた記念写真、海外でのスナップ等々。これだけ堂本印象の写真が一堂に揃うと、印象の人となりが良くわかる。

内覧会で三輪館長は、
「堂本印象は1891年生まれ、今年生誕130年を迎える。本展では、印象の画家人生の生涯を辿ると同時に、あらゆる技術を取り入れ、バラエティに富んだ作品の数々をご紹介したい」。

また同展では、ファンが選んだベスト10も、ファンの「声」とともに展示されている。
「ファンの方が今、どういうものを印象に求めているのか知りたい」(三輪館長)、ということで2019年に開かれた「驚異のクリエイションパワー」展で堂本印象作品の人気投票を行った。
予想外?に抽象画も人気が高く、3点が入選した。

山田由希代主任学芸員は、「大正、昭和を代表する日本画家」である堂本印象の「生誕130年」特別企画展の見どころを紹介した。
「絵巻物、スケッチなどデビュー前の若かりし頃の作品から晩年までの作品を展示」。
「脂の乗り切った40代頃の水墨画、墨の濃淡も印象の特徴」。
「富貴寺大堂壁画の模写は、筆の技が整ってないと出来ない技法」。
「例えば『坂』など、いろいろなところにファンタジーを散りばめているのも必見」。
「具象画、抽象画、襖絵、天井画、障壁画、緞帳を始め、造形、モニュメントなども手掛けるなど、マルチな才能を発揮している」。



ベスト10の第一位に選ばれたのは「はるかなる海」。
「どこまでも続く水平線のように長く黒く伸びた横の線。海岸でぶつかり合う波が飛ばす水しぶきのように見える金と銀など。抽象画でありながらタイトルの情景がよく表出されている。」(山田主任学芸員)
<ベスト10>
はるかなる海/1967年(昭和42年)
兎春野に遊ぶ/1938年(昭和13年)
木華開耶媛/1929年(昭和4年)
交響/1961年(昭和36年)
春/1927年(昭和2年)
風神/1961年(昭和36年)
柘榴(ざくろ)/1920年(大正9年)
雪/1930年(昭和5年)
坂/1924年(大正13年)
夕顔図/1935年(昭和10年)

このほか、最高裁判所大会議室を飾った壁画の下絵「豊雲」(1973)は印象82歳、晩年の作品。装飾額も印象がデザインした。
風神雷神の「風神」(1961)、抽象画で描いている。(ちなみに雷神はイタリアの個人が購入所蔵。
高知の竹林寺所蔵の「風神」「雷神」(抽象画)は、印象が1963年に描いたもの。)

今回、初公開作品となるのは7点。
一昨年寄託された「寿梅図」は、印象30歳代半ば頃の作品。六曲一隻。白梅の枝に2羽と1羽に分かれて3羽の雀、枝を覆う苔(或いは雪?)は薄い銀色。それぞれに深い意味がありそうだ。
天理市の大和(おおやまと)神社の依頼で描いた作品は、「戦艦大和守護神」(海上自衛隊第一術学校教育参考館蔵所蔵)と名付けられ戦艦大和の艦長室に飾られていたが、沖縄特攻直前に船から降ろされ、呉の海軍病院に預けられ無傷で残った。戦後、海上自衛隊教育第一術学校教育参考館に寄贈された。
1970年の大阪万博、太陽の塔に隣接した万国博ホールの緞帳の原画も印象の作。1969年、下絵をもとに西陣本綴錦織で10×24m。延べ4300人の職人、約半年をかけて制作された。この「手をつなぐ」の原画も、同館では初の公開となる。



会期 2021年6月4日(金)~9月26日(日)
休館 月曜日(祝休日の場合は開館し翌平日は休館)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料
 一般510円(400円)/高校・大学生400円(320円)/小・中学生200円(160円)
 ( )は20名以上の団体料金
 65歳以上の方(要証明)および障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
主催 京都府、京都府立堂本印象美術館(指定管理者:公益財団法人京都文化財団)、京都新聞
助成 一般財団法人地域創造

堂本印象生誕130年にあたる本年、
印象の創造を改めて振り返る記念展を、前・後編に分けて開催します。
本展は、その前編(※)として、
来館者のみなさまに選ばれた当館コレクションの上位10作品を中心に、
初出品作もあわせて印象が生み出した魅力あふれる絵画を紹介します。
さらに、太平洋戦争下の波乱を乗り越えて残された《戦艦大和守護神》、
日本最初の万国博覧会開催にあたり、明るい未来を願って描かれた
《手をつなぐ(万国博ホール緞帳原画)》といった
京都で眼にする機会の少ない貴重な作品も一堂に会し、
時代を経ても輝き続ける印象作品の魅力に迫ります。

※後編は、絵画作品のみならず、
モノや空間を彩る印象の装飾芸術に注目する展覧会
「描く・飾る・デザインする―堂本印象の流儀―」を
2021年12月3日~2022年3月21日
に開催予定です。

,<堂本印象美術館リリース資料より>
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