pic 特別展「木島櫻谷 —山水夢中—」(11/3-12/18) (泉屋博古館)

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特別展木島櫻谷 —山水夢中—」

2022年11月3日(木・祝)〜 12月18日(日)

泉屋博古館


<泉屋博古館リリース資料より>

展覧会概要

近代の京都画壇を代表する存在として
近年再評価が進む日本画家 木島櫻谷(このしま おうこく)(1877~1938)。

動物画で知られる彼ですが、生涯山水画を描き続けたことも見逃すことはできません。

なにより写生を重んじた彼は、日々大原や貴船など京都近郊に足を運び、
また毎年数週間にわたる旅行で山海の景勝の写生を重ねました。
その成果は、
西洋画の空間意識も取り入れた近代的で明澄な山水画を切り開くこととなりました。

一方、幼い頃より漢詩に親しみ、また古画を愛した彼は、
次第に中華文人の理想世界を日本の風景に移し替えたような、
親しみやすい新感覚の山水表現に至ります。

本展では屏風などの大作から日々を彩るさりげない掛物まで、
櫻谷生涯の多彩な山水画を一望のもととし、
確かな画技に支えられた詩情豊かな世界をご紹介します。

あわせて画家の新鮮な感動を伝える数々の写生帖、
青年期より収集し手元に置いて愛でた古典絵画なども紹介し、
櫻谷の根底にあり続けた心の風景を探ります。



<画像の複製は禁止されています!>

①《万壑烟霧(ばんがくえんむ)》 明治43年(1910) 株式会社 千總



《寒月》 大正元年(1912)(京都市美術館)(展示期間:11/3-11/16)

櫻谷の代表作は、
月夜の鞍馬で残雪にのこされた獣の足跡をみた経験から生まれます。
そこから「飢えた孤独な狐」のイメージが立ち上ったと。

その世界を具現するため、写生を重ね構想を深めたといいます。

一見水墨画のように見えますが、
雪には白の胡粉、虚空はシルバーグレーの絵具、竹には群青や緑青など、
重厚に輝く顔料で、
この冴えわたる雪月夜を鮮やかに描き出します。













⑮ 写生帖より《京都・貴船写生》 明治39年(1906) 櫻谷文庫 展示替あり

《寒月》制作の大きなインスピレーションとなった貴船の写生



みどころ

○ 動物画だけじゃない!! 注目の画家 櫻谷、山水画への誘い

代表作、幅11m超の大山水 《万壑烟霧(ばんがくえんむ)

各地の写生を醸成させた理想のパノラマ。
卓越した筆裁き、西洋画的感覚もみることができます。

そのほか、
かつての日本の風景を踏まえた
どこか懐かしくも新しい
山水の初公開品も多数登場します。

○ 初公開の寺院障壁画とあわせて深まる理解

館外会場と位置づける南陽院では、
櫻谷の山水障壁画全室初公開します。

櫻谷の世界観が凝縮した貴重な空間。

その制作背景が本展で明らかにされ、
本展でみた櫻谷山水画のエッセンスが南陽院に。

本展と相互に補完しあう南陽院は、当館から徒歩10分です。

○ 写生帖一挙大公開!.ひたむきに歩いて描いた青年櫻谷

数十冊にのぼる珠玉の写生帖では、

海に山に川と旅の中で刻々と移りゆく景色を
絵筆でとらえていく櫻谷の感動の軌跡を追うことができます。

もちろん、高い写生技術や筆の早さも超人級。

古き良き日本の風景・風俗が
記録されていることも見逃せません。

○ 櫻谷が写生した場所はどこ? SNSで大捜索中!

暇さえあれば京都近郊へ写生にでかけていた櫻谷。

彼が写生帖にとどめた風景は、
100年を経ていっそう魅力を増しています。

彼が思わず足を止めた眺望とは?
「#おうこく足跡探訪」
としてその風景探しを呼びかけています。

ぜひご参加を!

○ この秋、ゆかりの地で櫻谷に会える! 京都で櫻谷めぐり

期間中、
櫻谷が自ら設計にかかわった衣笠の旧邸が公開されます。

邸内では動物の写生帖や作品も展示されます。

また、
櫻谷はじめ日本画家と密接に関わった老舗「宮脇賣扇庵」では、
櫻谷も参加した天井画がいまなおのこる店舗で、
櫻谷の扇面画展を開催。

櫻谷の息吹を感じる京の散策をぜひ!

1.写生に夢中 ーー日本の海山川を描き尽くす

櫻谷が20代から30代にかけて頻繁に出かけた写生旅行。
飛騨、富士、若狭、大分…旅先の写生帖からは
山川海野の風景、木・岩・水から民家や民具、働く人々の営みまで、
移動しながら心惹かれる対象を次々と写し取る様子がうかがえます。

彼の新鮮な感動そのものを封じ込めた珠玉の帖冊は、
作品にも匹敵する迫力と完成度で、観る者に迫ってきます。

高い写生技術は、京都画壇の重鎮・今尾景年(1845~1924)に学んだもの。
さらに明治30年代後半、年を追ってその技術は劇的に向上していきます。

晩年を京都で過ごした明治洋画の父、浅井忠(1856~1907)の影響も考えられます。

写生帖の数々は、120年ほどの時を経て、一部劣化が進んでいましたが、
本年、住友財団の助成により修理が進んでいます。

これまでばらばらになっていた大画面の写生も展観する予定です。
櫻谷が夢中で写し取った古き良き日本の風景が蘇ります。

2.写生から山水画へ ーー光と風の水墨

櫻谷は20代から写生をふまえた景観表現を作品に取り入れていきます。
一見して伝統的な水墨山水とみえて、
山や川、樹や岩、建物や人物などモティーフに実在感が加わり、
また光と影の表現が見られるようになります。

ただし、写生はすぐに作品となるのではありません。
彼にとって写生とは、徹底して向き合ってその本質をつかみ取るための行為。
それを自身のなかで醸成させ、やがて立ち上ってくる姿を作品として描き出すのだといいます。

それを積み重ねた櫻谷山水画の集大成といえるのが
明治43年に制作したふたつの大作。
幅11mの大屏風《万壑烟霧(ばんがくえんむ)》(株式会社千總)と、
南禅寺塔頭の南陽院本堂5室にわたる障壁画(2022年秋に限定特別公開)。

そこでは日本人にとって、どこかでみたような風景が要所にみえながら、
全体的にはどこにも存在しない、櫻谷の想像上の空間なのです。

櫻谷山水画の代表作は、制作の3年前から折々に訪れた
飛騨、大分耶馬溪、甲府昇仙峡の山岳にかかる白雲に感銘をうけ取り組んだもの。
各地の写生が活かされています。
しかし屏風を一望すれば、崇高きわまりない絶界のパノラマがひろがります。

おなじみの富嶽図も写生に基づいています。
さらに遠くに重なる山並みの表現などには西洋絵画的な遠近表現の影響がうかがえます。
こういった点には、明治30年代後半に教えを乞うた洋画家・浅井忠の影響が感じられます。

3.写生の深化 ーー色彩の時代

写生を経て櫻谷のなかで醸成された景色は、
やがて末節をそぎ落とし、
本質を抽出したようなシンプルな表現にいたります。

それは写実的表現と抽象化されたフォルムが溶け合う不思議な世界で、
櫻谷の自然観照がより深い地点で結実したこれまでにない領域といえるでしょう。

そこに欠かせなかったのが濃厚な色彩。
岩絵具の強い発色、ざらついた質感や厚みを利用した色面は、
身近でありふれた日本の景観を時に晴れやかに、時に重厚に形づくり、
この世のものとは思えない至高の眺めへと塗りかえていきました。

櫻谷の代表作《寒月》は、
月夜の鞍馬で残雪にのこされた獣の足跡をみた経験から生まれます。
そこから「飢えた孤独な狐」のイメージが立ち上ったと。
その世界を具現するため、写生を重ね構想を深めたといいます。

一見水墨画のように見えますが、
雪には白の胡粉、虚空はシルバーグレーの絵具、竹には群青や緑青など、
重厚に輝く顔料で、この冴えわたる雪月夜を鮮やかに描き出します。

4.画三昧へ ーー理想郷を求めて

櫻谷は50歳前後から公職をひき、
衣笠の自邸で文人的な暮らしを実践するようになります。

絵画制作のかたわらで、かつて写生先で詠じた漢詩を書幅に揮毫したり、
古書画や古典籍を収集し折々に眺めたり。

そのなかで、57歳で制作した最後の帝展出品作は、高さ2mを超える山水画の大作でした。
青年期の写生に由来する実在感を継承しつつも、
全体の構想はより大きなスケールとなっています。
それは古来文人が重視した筆墨、
すなわち墨線そのものの魅力を追求するものでもありました。

櫻谷が数え切れないほどの作品制作を重ね、晩年にたどりついたのは、
青年期に訪れた各地の風光と、詩書画を通じて交わった先人たちの理想世界とが
渾然一体となった世界でした。

その世界に心遊ばせ、なにものにもとらわれることなく絵筆をとる日々、
画三昧の境地がそこにはありました。

木島櫻谷 (このしまおうこく 1877~1938)

明治後半から昭和前期まで、文展帝展で活躍した京都日本画壇の代表的存在。

徹底した写生を基礎に、
卓越した技術と独自の感性により生み出された叙情的で気品ある画風で、
近年再評価の気運が高まっている。

京都の伝統を継承しながら、西洋画の要素をも取り入れた、
近代的で洗練されたスタイルは時代・国を超えて支持されている。

とりわけ親しみやすい動物画で知られるが、生涯描き続きた山水画も秀逸。


基本情報(開催概要)

展覧会名 特別展 木島櫻谷 ー山水夢中ー
会期 2022年11月3日(木・祝)~12月18日(日)
開館時間 午前10時~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日
入館料  一般 1,000円 高大生 800円 中学生以下 無料
  ※ 20名以上は団体割引20%
  ※ 障がい者手帳ご提示の方はご本人および同伴者1名まで無料
会場 泉屋博古館
  〒606-8431 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
  https://sen-oku.or.jp/kyoto/ TEL:075-771-6411
主催 公益財団法人泉屋博古館 公益財団法人櫻谷文庫
   BSフジ ライブエグザム 京都新聞
後援 京都市 京都市教育委員会 京博連 公益社団法人京都市観光協会

 巡回情報 泉屋博古館東京 2023年6月3日(土)~7月23日(日)

相互割引「京都東山美術館さんぽ」

 本展の半券提示で下記展覧会の入館料が一般 800円 → 700円 になります。

※ほかの割引と併用できません。


野村美術館 特別展「千利休生誕500年 利休茶の湯の継承」
 
前期 9月10日(土)~10月23日(日)
後期 10月25日(火)~12月11日(日)





特別連携公開 南陽院本堂《木島櫻谷山水障壁画》
 ~5室にわたり日本の山河を表情豊かに描いた櫻谷34歳の傑作!~

南禅寺塔頭の南陽院本堂障壁画50面は、
若き日の木島櫻谷が手がけた山水の力作です。
通常は非公開である同院が「木島櫻谷 ー山水夢中ー」展開催にあわせ、限定公開されます。

山水の大作を、展覧会と併せてお楽しみください。



 2022年11月3日(木・祝)~11月13日(日) / 11月23日(水・祝)~12月11日(日)

拝観休 期間中の月曜日
拝観料 1,000円(時間指定制)
販売取扱 イープラス
  (イープラスサイトhttps://eplus.jp/ から「木島櫻谷」で検索、「特集」をクリック!)


会期中の催し

① 記念講演会
 
11月27日(日)午後1時30分~3時「櫻谷の再評価 ーその広がりと深まりー」
 京都市立芸術大学教授 田島達也氏

② 講演会
 11月12日(土)午後1時30分~3時「木島櫻谷の生涯と山水画」
 泉屋博古館学芸部長 実方葉子

③ オウコク・トーク!
 11月16日(水)泉屋博古館東京学芸員 椎野晃史
 12月1日(木)泉屋博古館学芸部長 実方葉子
 12月10日(土)泉屋博古館東京館長 野地耕一郎
  いずれも午後2時~3時
会場:当館講堂
定員 40名/入館料のみでご参加いただけます
 予約制・先着順(受付開始 10月4日午前11時から当館WEBサイト/電話 075-771-6411にて)

④ 南陽院障壁画鑑賞会
 11月11日(金)午前9時30分~11時
講師:京都市立芸術大学准教授・日本画家 奥村美佳氏 (ご案内:実方葉子)
会場:南陽院 
定員 20名
参加費 1,000円(拝観料を含みます)
 抽選予約制(受付期間 10月4日午前11時~10月23日午後5時 当館WEBサイトにて)


連携企画

■木島櫻谷旧邸特別公開
 木島櫻谷が後半生を過ごした衣笠の邸宅「櫻谷文庫」(京都市指定文化財)が下記期間に特別公開。櫻谷の色紙や写生などの作品が展示されます。
 2022年11月3日(木・祝)~12月4日(日)の土日祝
入場料:600円
会場櫻谷文庫(京都市北区等持院東町56)問合せ:075-461-9395

■宮脇賣扇庵天井画制作120周年特別企画「木島櫻谷の扇展」
 扇子の老舗「宮脇賣扇庵」本店の天井画は、明治京都画壇48名に依頼した扇面図合作。若き日の木島櫻谷も制作画家に名を連ねます。天井画制作120年の特別企画として、櫻谷文庫所蔵の扇子と扇面画の展示を行います。
 2022年11月16日(水)~12月7日(水) 
入場無料 
会場宮脇賣扇庵(京都市中京区六角通富小路東入ル大黒町80-3)
 問合せ:075-221-0181


連携企画会場のイベント

宮脇賣扇庵見学会「天井画四十八扇と櫻谷の扇絵」+投扇興体験
 11月18日(金)午前10時~11時30分
会場:宮脇賣扇庵 
定員 10名 
参加費無料

櫻谷文庫講演会「木島櫻谷写生帖の修理ー中間報告ー」
お話しの後、写生帖を見学します。
 11月23日(水・祝)午後1時30分~3時30分 
有限会社墨仙堂 吉田裕志氏 
会場:櫻谷文庫画室 
定員 40名 
入場料のみでご参加いただけます。

助成:令和4年度文化庁 Innovate MUSEUM 事業

連携周遊券情報

特別展「木島櫻谷-山水夢中-」と「南陽院本堂《木島櫻谷山水障壁画》」、
櫻谷文庫特別公開、宮脇賣扇庵特別企画をぐるっと周遊するチケット。
秋の京都をめぐりながら木島櫻谷をお楽しみください(発売中~12月4日)。

 【木島櫻谷三館夢中プレミアムチケット】
「木島櫻谷-山水夢中-」の公式図録や各施設入場券がセットになったプレミアムな
デジタルチケット。インターネットでご購入ください。

内容:泉屋博古館・南陽院・櫻谷文庫の各入場券、「山水夢中」図録など図書2冊
価格:6,100円
販売取扱:イープラス

 【櫻谷三昧~ぐるっとアート連携チケット~】
京都市内の木島櫻谷ゆかりの地をラリー感覚でめぐるお得な紙チケット。宮脇賣扇庵の
本店でつかえる20%割引クーポンつき。

内容:泉屋博古館・南陽院・櫻谷文庫の各入場券、宮脇賣扇庵本店20%割引券
価格:2,200円
販売取扱:京都新聞文化センター、京都総合観光案内所、泉屋博古館、
     宮脇賣扇庵京都本店、大垣書店京都本店、京都新聞COM東京事業所ほか


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